犬から人にうつる病気 |
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動物と人間がともにかかる病気を「人獣共通感染症」といいます。 |
[感染経路] 経口感染・・・細菌や寄生虫の卵が口から入る。口のまわりを舐められてたりして感染。 感染症の中でも特にうつりやすい経路。 経皮感染・・・皮膚の傷口から病原体が侵入。また、病原体自らの力で、皮膚から侵入する場合もある。 接触感染・・・犬の被毛や皮膚に触れることで感染。 空気感染・・・犬がセキやクシャミをすると、病原体が空気中に飛び散り、浮遊して感染。 感染した犬と同じ部屋にいるだけで、感染することがある。 咬傷感染・・・感染した犬に噛まれることにより感染。 爪でひっかかれた傷口から感染することも。 媒介昆虫による感染・・・蚊やダニが病原体を媒介して人に感染。 |
●エキノコックス症(経口感染) 長さ数ミリの小さな寄生虫が、犬の糞に宿り、その糞に汚染された水や食品を口にすると感染します。 おなかの中に、エキノコックスの成虫がいても、犬の方は無症状です。 人が感染すると、寄生虫が肝臓内で増大し、肝不全などを起こし死に至ることもあります。 |
●犬回虫症(経口感染) 犬回虫は長さ4〜18cmの細長い寄生虫です。 犬の糞から排出された回虫卵を、何らかのかたちで摂取してしまうと感染します。 また、回虫の幼虫に感染した家畜の生肉やレバーを食べて感染することもあります。 人が感染すると、幼虫が肝臓や眼、中枢神経などを移動して、発熱や視力低下など、様々な症状を引き起こします。 |
●サルモネラ症(経口感染) 食中毒で有名なサルモネラ菌。細菌の増殖により、腸の粘膜に炎症が起きます。 犬が下痢をした時は、その取り扱いに注意しましょう。 人に感染し、発症すると、発熱、下痢、嘔吐、腹痛などの症状が続きます。 |
●犬ブルセラ症(経口感染) 感染動物と接触したり、汚染された乳製品を摂取したりすることで、人に感染します。 犬は、ほとんど無症状ですが、メスの場合、流産や不妊の症状が出ることがあります。 人に感染すると、慢性的な発熱を繰り返したり、発汗、頭痛、体力消耗などの症状が起こり、 場合によっては、脳炎や心内膜炎などを起こすこともあります。 |
●パスツレラ症(経口、咬傷感染) パスツレラ菌は、犬の50%以上が口腔内にもっていると言われていますが、 犬の方はほとんどが無症状です。 噛まれて感染すると、局部が赤く腫れ、ズキズキと痛みます。 経口感染の場合は呼吸器系に異常がでることがあります。 |
●Q熱(経口、空気感染) コクシエラ菌に感染した動物が宿主となり、人にも犬にも感染します。 これも、犬は無症状。 人が感染すると、発熱や倦怠感を感じます。長い間、気付かないケースが多く、 慢性化すると心内膜炎などを起こして死に至ることもあります。 |
●レプトスピラ症(経口、経皮感染) スピロヘータという細菌を、ネズミが無症状で保菌していて、 そのネズミの尿から排出された菌により感染します。 菌の種類によっては無症状のときもありますが、人が感染して急性症状が出ると、 発熱、嘔吐、腎不全などを起こします。 対処が遅れると死に至ることもあるので危険です。 |
●皮膚糸状菌症(接触感染) 湿気や気温が高くなると、犬は皮膚糸状菌に感染しやすくなり、 感染すると円形脱毛症ができたり、かゆみが出たりします。 人の皮膚にこの菌の胞子が感染すると、赤く充血したり、炎症によって水ぶくれができたりします。 |
●狂犬病(咬傷感染) 言わずと知れた狂犬病。 日本では2006年に、36年ぶりに発症例が報告されたくらいですが、 世界的には毎年3〜5万人が命を落としています。 発症すると、ほぼ100%死に至る恐ろしい病気です。 人は狂犬病にかかった犬に噛まれると感染します。 最初は風邪に似た症状ですが、その後噛まれた部分が痛みだし、幻覚を見たり、 水を怖がるようになり、昏睡状態におちいり呼吸停止に至ります。 |
●猫ひっかき病(咬傷感染、媒介昆虫) 猫にひっかかれて発症する病気ですが、人も犬も感染します。 バルトネラ菌を持ったノミに刺されて感染したり、感染した犬から移ることもあります。 犬は感染しても無症状ですが、人は、リンパ節が腫れて、発熱したりします。 ノミの駆除が防止策となります。 |
●ノミ刺咬症(媒介昆虫) 犬についいているノミに刺されて感染します。 人に感染すると、激しいかゆみを感じ、ひどい場合は強いアレルギー反応を起こすことがあります。 |