犬の五感 |
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犬の五感は人間の五感とは大きく違います。 同じ生活空間にいても、感覚はまるで違うということです。 どんな感覚なのか、犬になってみないと知るよしはありませんが、 一般的に言われている「犬の五感」です。 |
●臭覚 犬にとって匂いは獲物を探したり、物を識別するための最も重要なものです。 他の犬に会ったときにお尻の匂いをかぐのも、肛門腺から性別や年齢を判断するためです。 犬がにおいを嗅ぎ分ける能力は、人間の約100万倍近くあると言われ、 犯罪捜査に警察犬や麻薬捜査犬などが使われていることでもその確実性は認められています。 中でも動物性の臭いと危険を感じる臭いに敏感に反応します。 |
●視覚 犬の視力はあまり発達していないので、形の判断能力はいまひとつです。 犬の目の水晶体の厚さは人間の倍ほどもあるので、遠くのものにしか焦点を合わすことができません。 ですので、飼い主さんがわかるのは顔を認識しているのではなく、動きや匂いで判別します。 一方、動体視力は非常に良く、動くものを捉える能力は抜群で、 視野も人間よりはるかに広く220〜250度程あると言われています。 暗闇においては、わずかな光でも活動できる器官が発達しています。 また、色の識別についてはできないと言われていましたが、 最近は数色で見えるという説が有力になっています。 |
●聴覚 犬の聴覚は臭覚に次いでするどい感覚です その聴力は人間の約4〜10倍とされ、小さな音に対しては、 1937年にエンゲルマンにより行なわれた実験によると、なんと16倍も敏感であるということです。 そして、犬は人間の4倍の遠方の音を聞き分けるとも発表しました。 パブロフ曰くは「人には聞き分けられない、1分間に100回と96回のメトロノームの音を聞き分ける」と。 人間でもびっくりする雷の音などは、犬にとっては、おそらくとてつもない音なのでしょう。 また、音が聞こえる方向を判断する力は人間が16方向なのに対し32方向と約2倍です。 低音域を聞く能力は人とほぼ同じですが、高音域については、人間が聞くことのできない範囲の音を聞くことができます。 この習性を利用してトレーニングに使われるのが超音波ホイッスルです。 ただし、9才を過ぎると聴力も衰えてきます。 |
●味覚 犬の舌の味覚を感じる細胞は人間の6分の1ほどで、味覚はあまりありません。 ただ、甘みはわりと感じやすく、甘いものが好きな犬は多くいるようです。 全体的には、どちらかというと臭いでおいしさを感じていると言われています。 |
●触覚 鼻先、しっぽ、耳、足先など触覚は末端にいくほど敏感です。 外敵に攻撃されたときにケガをしやすい為に神経が敏感になっているのです。 そういうところを、とつぜん触ったり、強く触ったりするとびっくりするので注意してあげて下さい。 逆に耳の付け根、背中、胸などは、撫でられると気持ちがいいので喜びます。 痛みに対しては鈍感なところがあるので、ケガをしても気づかずに遊んでいることもあります。 |
[なかなか落着かない犬には、背線マッサージ] 犬の背中の線には自律神経が走っています。 興奮したり、恐怖を感じたり、警戒したりすると、自律神経の中の交感神経が刺激されて、毛が逆立ちます。 一方、自律神経の中には気持ちを落着かせ、逆立った毛をもとのように寝かせる働きをする副交感神経があります。 この両者の関係をうまく利用するのが、背線マッサージです。 犬のしっぽの付け根から首筋まで、背線を爪を立てた5本の指で、かきあげるようにして毛を逆立てます。 そうすると、犬の副交感神経が刺激され、毛を寝かせるのと同時に犬を落着かせる働きをするのです。 これを何度か繰り返すと、犬の気持ちは静まりおとなしくなります。 ブラッシングを嫌がってさせないワンちゃんなどに試してみて下さい。 |